FMラジオ3 (LA1800+TA7368)

更新:2009/04/02, 2009/04/05, 2009/08/09, 2013/07/24, 2013/07/28, 2013/08/04, 2013/08/14, 2014/12/14


再挑戦

去年(2008年)失敗したLA1800(三洋電機)によるFMラジオに再挑戦した。
  • LA1800が3Vで動作するので、オーディオアンプも3Vで動作するTA7368を使って全体を小型化してみたい。

回路

LA1800の使い方は前回ので基本的に間違って無さそうなので、オーディオアンプをTA7368に置き換えた他はほぼそのまま。
メーカのデータシートの応用回路例で16-17番ピンに付いている75pFのコンデンサはこの値で無ければダメなのだろうか。多少違っていても動くのではないか、とは思ったが68pF+7pFで構成した。
バリコンは当初15pFのタイトバリコンを入手したので左の回路図はそれを使った物になっているが、最終的には20pFのポリバリコンを使っている。

製作の経過

ピン幅の狭い(1.78mm)LA1800であるが、普通の2.54mmピッチのユニバーサルボードに”斜め”に取り付けが可能であることを知った。その代わり配線が面倒になりそうなので、部品レイアウトを十分検討しておく必要がある。
ここまで一日目の作業。
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実装作業開始。 LA1800の足を一つおきに伸ばす。
伸ばした足をガニ股状に折り曲げ、見事に2.54mmピッチのユニバーサルボードに乗せることができた。21番ピンは使わない上に、それ用のボードの穴を別の部品のために使いたいので上に曲げてある。
LA1800周辺の部品実装が終わったところ。
ハンダ付け面。LA1800の”内側”ピンには隣接する他部品穴が無いので、どうしてもジャンパ線が多くなる。
バラック配線で動作を確認。バリコンは15pF。オーディオ出力はPCのオーディオ入力に接続している。
AM用ポリバリコンにコンデンサを直列接続することにより使えないか試してみた。
追加コンデンサの容量が5pFだと周波数の高い局が受信でき、30pFだと周波数の低い局が受信でき、という感じだった。 コイルのコアを調整しつつ、最適な容量を探すのは大変かもしれない。FM用ポリバリコンも探してみたいので実験はこれぐらいにする。
LA1800の動作を確認できたので、次にオーディオアンプを実装した。
ふたたびバラック配線で動作テスト。
ここまで二日目の作業。
ジャンクショップで20pF(と称する)単連ポリバリコンを入手できたのでこれを使ってみる。品番とかは不明。
10枚入りCD-Rのケースに収めた。電池ボックスは固定してない(フタの側なら固定できそうだが)。

完成

アンテナ線は120cm程度のビニール線を直づけしている。ダイヤルに各局の位置の目安を記入したが、狭い範囲に詰まってしまった。分離に問題はない。
ダイアルが小さいこともあってチューニングは相当微妙で、ベストポジションにたどり着くのは大変である。

受信が確認できた局は、ZIP-FM(77.8MHz/10kW)、FMわっち(78.5MHz/20W)、RADIO i(79.5MHz/5kW)、岐阜FM(80.0MHz/1kW)、FM AICHI(80.7MHz/10kW)、NHK名古屋(82.5MHz/10kW)、NHK岐阜(83.6MHz/1kW)。つまり新聞のラジオ欄に載っていて通常当地で受信できる局のすべて+コミュニティ局のFMわっち、が受信できている。
今までに製作したFMチューナ/ラジオの中で最も感度が良いように思う。最もよく聴くNHKが短いアンテナ線で高音質の受信ができるだけで満足である。
消費電流=11mA

ケース組み替え

ボディエフェクトが少し気になるので金属製のケース(タカチ YM-130)に組み込み直ししました。
ボリュームへの配線が長くなったり、アンテナ端子の取り付け位置を反対側にせざるを得なかったり、基板の長辺でなく短辺をスペーサ付けしたりと、少し苦しい実装です。(09/08/09)

ボディエフェクトはほとんど無くなりチューニングしやすくなりました。

改造(2013年7月)

しばらく眠っていたこのラジオに再び手を入れてみることにした。目標は
  • バリコンからバリキャップに変更
  • AMも受信

実験1:FM受信のバリキャップ化

FM受信のバリキャップ対応から着手(左の回路図) バリキャップ同調のテスト。Cxを試行錯誤して決めたが、10pFで当地の全局をカバーできる(周波数の低い局がぎりぎりだが)

(ここまで 2013/07/24)

実験2:AMのポリバリコン受信

次にAM対応。まずは普通のポリバリコンでAMが受信できるかテストした。回路に追加した部分は
  • LA1800のピン22にAM用単連ポリバリコン+SL-45GT
  • ピン21に0.1μF (LA1800のデータシートでは0.47μFが使われているが、あり合わせを使った)
まずまずの感度で当地の主要4局がすべて受信できる。選択度がやや甘いようだ。

実験3:AM受信のバリキャップ化

次にAMをバリキャップ対応

感度はかなり落ちる。全局カバーできていない。

作例調査

ヒントになりそうな作例は...
  • バーアンテナの2次側をLA1800につなぐ作例
  • スーパー用バーアンテナを使う作例
  • LA1800ではないが、1SV149+固定コンデンサで使うより1SV149を2個使う方が感度が上がる、という作例

(ここまで 2013/07/28)

実験4:バーアンテナの2次側利用

ここではふたたびポリバリコン使用。
感度はやはり悪い。1局しか受信できていない。

実験5:バリキャップ2個利用

バーアンテナの2次側利用は止めて実験3に戻り、バリキャップ(1SV149)の逆方向シリアル接続を試した。
その結果、実験3と較べて感度はかなり改善された。しかし実験2と較べると選択度がさらに悪化している。729kHzと1332kHzはほぼ問題ないが、1053kHzが909kHzにかぶってくる。
(ここまで 2013/08/04)

ケース組み込み

結局、AM受信については実験5の方式で行くこととし、ケース(TAKACHIのSGM-135B)に組み込んだ。電源は2電源のままである。

組み込んだ後でCx, Rxを試行錯誤で調整し、それぞれ6pF、3.9KΩとした。

完成

AM受信に関しては苦労した割に感度が良くなく、窓際でないと実用的でありません。
FM受信に関しては部屋の中央でもロッドアンテナだけでそれなりの受信ができる。ただしダイアル操作はクリティカルである。
(ここまで 2013/08/14)


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