FMラジオ4 (TA2003+NJM2073)

FMラジオにこだわっています。2009年の5月連休を中心に製作。

更新:2009/05/10, 2009/05/17, 2009/05/23, 2009/05/31, 2009/08/01, 2013/10/26, 2014/12/14


仕様

TA2003(UTC)によるFMラジオ。
  • 同調をバリコンでなく、バリキャップダイオードでやってみる。
  • バリキャップで同調するには高電圧(10V程度だけれど)が必要になるが、どうせその電源を用意するならば、オーディオアンプもその電源を使って大きめの出力を出したい。

回路

部品

セラミックフィルタ(左)とディスクリミネータ(右)

製作

1SV147+07S144の組み合わせで同調できるかやはり不安なので、バリキャップに対してソケットを使っている。

動作テスト

電源部とTA2003周りの実装ができたところで、バラック配線による動作テストを行った。出力はPCのオーディオ入力につないでいる。

しかし、コイルのコアの調整だけではFM放送帯をカバーできない...。

回路変更(バリキャップ変更)

同調/OSC部のコンデンサをバリキャップ1SV101と普通のコンデンサ(左の回路図のC1とC2)の直列接続とし、このC1/C2の容量を調節することによりFM放送帯をカバーすることを試みた。

同調/OSC部調整

10pF,15pF,20pF,30pF,100pFなどのコンデンサを用意しておき、C1/C2に対していろいろ試してみました。
その結果、15pFまたは20pFのときFM放送帯をカバーできることが分かった。15pFが20pFよりも少し感度が良い印象なのでC1/C2ともに15pFを使うことにする。

ケース組み込み

オーディオアンプ部も実装し、ケースに組み込んだ。

この時点での成績

  • 当地で受信できる(はずの)局の内、最も周波数の低い局(ZIP-FM/77.8MHz)から最も高い局(NHK岐阜/83.6MHz)まで一応カバーできている。
  • しかし、真ん中の局(FM AICHI/80.7MHz)に対してだけなぜか極端に感度が良くない。
  • 同調はかなり微妙で、普段最もよく聴いているNHK岐阜も辛い。

どうも納得がいかないので、配線などチェックしたところ2SK241によるプリアンプ部に配線ミス発見。
ところが、それをリペアしようとしたところまた作業ミス(汗)。やむなくプリアンプを外す羽目に。

回路変更(プリアンプ無し)

左はこの時点での全回路図。変更点は、
  • プリアンプを外してLC同調回路だけに。
  • バリキャップダイオードに印加する電圧は4V~10Vぐらいでよいことが分かったので、VRの両側に抵抗を入れて電圧の可変範囲を絞る。
    (ありあわせの抵抗を使ったのだが選択を間違ったため受信できる周波数がFM放送帯と少しずれてしまった。おそらく86MHz~90MHzあたりが受信できなくなった。余所の土地で使う予定は無いのでとりあえずこのままにする。)
  • オーディオアンプのゲインが高すぎるのでVRに直列に抵抗を入れた。

この時点での成績

かなり感度が改善された。しかし、FM AICHI だけは依然として良くない。FM AICHI も多少良くなった。
現時点で実用的な受信ができる局は、ZIP-FM/岐阜FM/NHK名古屋/NHK岐阜。局ごとにアンテナの向きを変える必要はあるが...。
("RADIO i" と "FMわっち" も何とか受信できていることを確認。09/05/14)

FMラジオ3(LA1800+TA7368 左の写真の下・左端)と比較すると
  • 電源オフ後時間をおいてからオンしたとき同調が維持されていない。FMラジオ3では...
  • 大きなスピーカを使っているのに音質はFMラジオ3の方が良い感じがする。


(ここまで 2009/05/10)

回路変更(プリアンプ追加)

あらためてプリアンプを実装。

プリアンプ入力部試行錯誤

入力部分のコイルの接続には左のようにいくつかのパターンがあってそれぞれ試してみたが、3が明らかに最も感度が高かった。
プリアンプ部の2個のコンデンサ(15pF)もバリキャップダイオードにしたら良かったかもしれない。

この時点での成績

アンテナの引き回しにもよるが、ZIP-FM/FM AICHI/岐阜FM/NHK名古屋/NHK岐阜 の良好な受信ができる。(プリアンプの効果が多少はありそう。)
ケースのフタを閉めないとノイズが入ってくることが判明。

(ここまで 2009/05/17)

再度プリアンプ部試行錯誤

  • 2SK241の電源を12Vにしてみる。
  • プリアンプを外してLC回路だけにしてみる。
しかしやはり先の状態(5Vを電源)が最善であった。
左の写真は最終的なボード両面。バリキャップダイオード1SV101はソケットに挿したままハンダ付けで固定しました。

完成

一応これで完成とする。
  • 岐阜局用と名古屋局用にアンテナの向きを変える必要がある。
  • それでも当地の周波数範囲(77.8MHz~83.6MHz)の真ん中の局(FM AICHI/80.7MHz)の感度がやはり少し劣る。
  • 良好に受信できるNHK岐阜でも、無音時に微かに聞こえるブーンというノイズが少し気になる。
    これはアンテナ線がFMラジオ3のアンテナに添っていたのが原因のようで、両者を引き離したら消えました。(09/05/31加筆)
  • 電源投入後安定するまではチューニングの微調整を繰り返す必要がある。
  • FMラジオ3と比較すると、音質は本機、感度はFMラジオ3、が優れている印象。

現状

家で仕事をするときにはこれでFM放送を聴いている。下はAMラジオ4。(09/08/01)

現状(2013/10/26)

今このラジオを振り返ってみると、次のような難点が感じられる。
  • チューニングがしにくい
  • 時間の経過とともにチューニングがずれる(特に電源オン直後)
  • ハム音が耳障りになることがある
ハム音についてはシャーシアースの引き出し点を変えてみたり(左の写真)、電源回路のコンデンスを追加したりしたら改善した。
(13/10/26)

リタイア状態である。(14/12/14)


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